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日本企業が儲からない理由-価格戦略とど素人経営者

米国でかれこれ数年株式運用業務に携わる中で、日本企業の凋落は肌身をもって感じてきた。

投資家のカンファレンスなどに出席して、アメリカ人やらインド人の投資家と話す機会も多いが、日本人だと自己紹介すると、サムスンやLGのテレビはawesome(素晴らしい)といわれたことが何度もある。たまに、Hyundai Motor(韓国のヒュンダイ)の車を買ったよと。

ソニー東芝やらパナソニックが一世を風靡した80年代以降、日本企業は凋落の一途だから、米国の投資家が日本と最近成長著しい韓国企業を混同していてもおかしくはないのだが。

電機メーカーがなぜ凋落したのかは、韓国勢による日本企業からの技術者の引き抜きと、ウォン安に追い風を受けた低価格戦略であることはいうまでもない。

今回は、日本企業全般がなぜ儲からないのかということについて。

儲からないというのは、営業利益で比較しよう。

例えば、世界のトヨタの営業利益は3556億円、フォードの営業利益は約7000億円、GMは約5000億円。

リーマンショック後、一度破綻に追い込まれたGMの方がトヨタよりも稼いでいる。

米国の経済規模(GDP1500兆円)は、日本の経済規模(GDP500兆円)だから、約3倍。

ただ、自動車産業はグローバル化が進んでおり、トヨタは米国で儲けている会社だ。

メディアもそうだ。

ディズニーの営業利益は7000億円、フジテレビや日本テレビは200億円程度、テレビ朝日、TBSは100億円に満たない。日本の代表メディアを足してもディズニー1社に及ばないのだ。

もちろん、米国にはディズニーの他に、ニューズコープ、CBS、NBS(コムキャストの子会社)、ヴァイアコムなどたくさんのメディアがある。

経済規模の差があるにせよ、日本企業が儲かってないのは明らかだ。

筆者はその理由は価格戦略に他ならないと考える。

例えば、日本のテレビはタダだ。テレビさえあれば、誰でもただで見れるのだ。

アメリカではケーブル会社(タイムワーナー、コムキャスト、ケーブルビジョン、ベライゾン、ATT)と契約を結ばないとテレビを見れない。月に100ドル程度をケーブル会社へ料金を支払う。この100ドルの中に、メディア企業のコンテンツ視聴料が入っているのだ。

メディア企業はただではコンテンツは提供しない。それが普通であり、そこはどのメディア企業もぜったいに崩さないのだ。

価格戦略については、米国のMBAを出た人間なら常識をわきまえているはず。

価格を下げるという愚行に出ると、マーケット参加者の全ての利益がゼロに近づくまで価格は下がっていくのだ。

企業経営者は株主にリターンを返さないといけない。価格戦略で勝負に出るという行為は、その産業全体の利益を圧縮する行為であり、株主のためにはならないのだ。それは、経営学の教科書の基本中の基本だ。

そして、そのことは米国政府も知っているのだ。日本のように消費者保護で価格の上限規制したりしないのだ。

例えば、米国携帯大手のベライゾンの経営者。

彼らは携帯の普及率が高くなり、契約者の増加が見込めない状況の中、株主価値増大のために料金アップが必要だと考えた。そして実際に料金を上げたわけだ。

そこで同じ携帯大手のATTがとった行動は?

同様に料金を上げたのだ。

安い料金を維持してベライゾンからマーケットシェアを奪うよりも、同じだけ料金を上げて、顧客から搾取することを選んだわけだ。

それが経済学的にメイクセンスなのだ。

一方で、日本の牛丼業界がいい例だ。

吉野家が下げれば皆下げる。

経済を勉強したことがない経営者がやってしまう愚行の端的な例だ。

独占やら寡占の経済モデルを勉強したほうがいい。

米国は完全競争化で、独占や寡占に見られる価格戦略が実行されている。

それが米国企業を大きくし、世界第一の経済へと成長させてきた。

日本企業の経営者は生え抜きが多いから、経営のけの字もしらない馬鹿ばかりだというのが筆者の見方。

儲からない企業に勤める人の給料があがるわけもなく、消費も鈍り、経済は縮小していくのだ。





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01 : 39 : 38 | その他色々 | トラックバック:(0) | コメント:(6) | page top↑
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コメント:
値下げ競争の愚には同意します
通りすがりですが、ふと目に留まったのでコメントいたします。

日本企業の利益が上がらない(減少傾向が続く)要因として安易な値下げ競争に走りすぎ自分の首を絞めているのが原因であるという点は同感です。実際値下げ競争が常態化しているのもデフレの要因であると感じています。

ただ、本文中にあるメディアの例だけちょっと気にかかったのですが、日本のテレビ局については単に視聴者は無料(収入は広告費のみ)というところが主因ではなく、コンテンツの質の低さと恣意的な偏向の多さで呆れられて客が減っているという要素もあると思います(昔は今より国内メディアも無料なりに人気・その結果お金があったような記憶があります)

視聴料は無料の地上波+一部衛星放送が主流で結果有料放送のシェアがアメリカに比べて伸びず、メディア全体の売り上げは低いというの事実だと思います。

本筋とはずれますが、単純に価格だけではなくメディアに関しては質や信頼の点も大きいので例としては少し微妙かなと思った次第です。
by: ヘリオドール * 2012/08/20 09:56 * URL [ 編集] | page top↑
上記の方が言うように、この国のメディアコンテンツは完全に終わってます。一億総白痴化と言った人がいましたが、まさにそうです。クソがつく程に低レベルのバラエティ番組に呆れてる人の多いこと。米国では、人気ドラマの放送時間にプロバイダーの負荷が落ちるとも聞きます。日本でそんなことが起きたのは、ワールドカップの時ぐらいでしょう。
by: * 2012/08/20 19:31 * URL [ 編集] | page top↑
>価格を下げるのは愚行
>ATT社は、競合他社に追従して価格を上げた

それは、アメリカの例ですね。
そのまま日本には当て嵌まりません。

この記事では「消費者」についての概念がまるで無い。
日本の消費者は、年々貧しくなっていますので、低価格化というのは必須でしょう。

この10年で、30代以下の平均年収は100万円以上下落。
20~30代で、年収が400万を超えるのは僅か5%。
政府が「企業の競争力」を謳い文句に、企業優遇・経営者優遇・年寄り優遇を推し進めた結果が今の現実です。

現在、日本の貧富格差はアメリカを越えてしまいました。
市場に金を落ちなければいけないはずのマネーは、企業のプール金と老人の貯蓄になるばかり。

こんな状態の経済である日本に、アメリカの例を出されたところで「はぁ?」としか思えませんね。
by:   * 2012/08/21 01:37 * URL [ 編集] | page top↑
コンテンツが終わっているのはアメリカも同じです。インターネットの普及でテレビよりもユーチューブでも見てたほうがいいというのは世界共通です。ただ、日本ではメディアは斜陽産業であるのに対して、米国ではいまだ成長しています。その違いは、価格戦略です。例えばディズニーは、ESPNというスポーツチャネルを持っていますが、これは無料ではないです。高いフィーを消費者から搾取しているのです。スポーツチャネルはスポーツ大国米国では欠かせません。ディズニーが持っているほかのチャネルはあまりいいものはないです。日本のテレビにもキラーコンテンツはあるはずですが、マネタイズできてないのが現状です。
by: 桜井基央 * 2012/08/21 07:52 * URL [ 編集] | page top↑
消費者の概念については、本記事では詳しく書いてません。確かにご指摘の通りで、日本特有の構造的問題があるのは事実です。本記事ではそうした問題には触れてません。しかし、構造的な問題があるから無理ですというのは、それ以上何も意味を持たないのも事実です。アメリカの経営者を良い例として認識する必要はあるように思います。
by: 桜井基央 * 2012/08/21 07:57 * URL [ 編集] | page top↑
国民の幸福と企業の利潤
米国は独占や寡占に見られる価格戦略が実行されている。それが米国企業を大きくし、世界第一の経済へと成長させてきた。日本企業の経営者は生え抜きが多いから、経営のけの字もしらない馬鹿ばかりだというのが筆者の見方?まことにもっともらしいが、国民の生活はまるでマルクスのいう革命前夜のようだ。国民を幸福にしないばかりか、大きな対立を内在させたぎすぎすした格差社会が到来する。ごめんこうむります。


by: hedeyan * 2012/11/20 03:15 * URL [ 編集] | page top↑

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